今の職場で放射線技師を続けるか、転職するか―決断を下すために考えたこと

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Goemon
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こんにちは。10年以上大学病院で放射線技師として勤めていたGoemonです。
放射線技師としてのキャリアに悩んでいたある日、私はふと『これからどうすればいいのだろう?』という疑問に突き当たりました。医療現場での仕事は確かにやりがいがありますが、同時に多くのプレッシャーやストレスも伴います。『このまま続けるべきか、それとも転職するべきか』…。そんな決断を下すために私が実際に考えたことを、同じように悩んでいる方々とシェアしたいと思います。

この記事で書いたこと

放射線技師として今の職場に勤務しているけど、転職を考えている人向けです。

  • 転職したい理由の振り返り
  • 転職を考える前にやってみたこと
  • 転職を決断するか、続けるかを考えるためのポイント
  • 結果としてどうしたか(転職したのかしなかったのか)
  • 転職後の感想とアドバイス

1.辞めたい理由を振り返った

大学病院に10年以上も務めた私が転職を考えた理由はいろいろとありました。

過酷な労働環境(単純に忙しい)

大学病院は当然ですが、患者の数もけた違いに多く、総合病院となると様々な診療科からの依頼がひっきりなしに舞い込んできます。

そのため検査件数が非常に多く、単純に検査業務をこなすだけで1日が終わるということも珍しくありません。

当直もあったので月に3-4回は24時間勤務をこなしていかなくてはなりません。そんな繰り返しのため、生活リズムを規則的に整えるのが難しくなっていきます。

シンプルに放射線技師として働いていて疲れが溜まってくるんですね。日々の業務に追われる中で自分の気持ちが次第に無力に感じてきて「このまま、この先もずっとこんな状況で働いていくのかな…」とネガティブな思考が先行してしまいました。

忙しい日々を乗り越えていく中で、仕事に対する情熱は少しずつ薄れ、心身共に疲労が蓄積してきました。

人間関係のしがらみ

大きな施設となると、同じ放射線技師でも50人以上、医師や看護師を数えると数百人~数千人とすごい規模の職員数となります。

特に放射線技師の仲間内は、関わらないということは不可能なので、苦手な人がいると非常に苦痛となります。考え方も十人十色なので、仕事の進め方が合わない同僚などがいると、それだけでも居心地が悪くなります。

医師や看護師も、チーム医療を遂行する上では関わることは必須となっていますので、そこにも苦手なスタッフがいると、業務自体に苦手意識が生まれてきてしまいます。

私の場合心臓カテーテルや血管造影(いわゆるカテ室)の業務が大変苦手でした。カテ室は治療を行う手術の現場ですので、医師の治療のサポートを臨機応変にしなくてはならなく、放射線技師としてのコミュ力が問われます。(うまく立ち回らないと怒られてしまうなんてことも…)

複雑化・多様化する業務

大学病院は新しい装置を取り入れる機会が大変多いです。

そのたびに放射線技師は、受け入れの時の様々な業務(設置の段取り、測定など)、設置してからのマニュアル決定などがあり大変です。

機器もどんどん最新のものが取り入れられるため、新しい装置を使いこなすスキルを習得する必要があり、その都度研修も行われます。

私は正直、このスピードについていけず、大学病院を辞めようと思ったことがありました。

2.転職を考える前にやってみたこと

環境転換

大学病院では放射線技師の数も50人以上いたため、部署の異動が1年に数回あるような職場でした。その部署で合っていると感じていても、強制的に次の部署に異動させられることが頻繁に起こるので、適応できなかった部署になってしまうということがありました。

私が適応できなかったことと、人間関係が悪かったこと(パワハラ)により技師長へ「今の現場がこういう理由で合わないです。」と直談判しました。

その結果私は元の部署戻ることで仕事を何とか続けられ、環境転換することで「転職」には至らなかったことがありました。

業務制限

10年以上、月に3-4回の夜勤(当直)をだましだましやってきました。

当直はあらゆるモダリティー(なれないアンギオや救命救急もつきもの)なので、忙しさ・人間関係・スキルの不安を複合的に抱えながら大変な思いをしてこなしていました。

30代をちょっとすぎたときに体力・精神力ともに適応に限界を感じ、施設の産業医に相談し、技師長からは「心療内科を受診したほうがいいのではないか。」といった助言をもらいました。

心療内科医からは「うつ状態のため、労務に制限が必要。」との判断が下り、私は期間限定で当直やその他業務の一部を制限してもらうことができました。

これだけでもだいぶ心身の負担が軽くなり、「転職」をするという選択肢が一時的になくなったことがあります。

3.転職を決断するか、続けるかを考えるためのポイント

転職か続けるかを決めるために、私は次の2つのポイントを重視しました。

自身の心身の健康

忙しさやストレスが続いていたことから、長期的な健康面が心配になり、心と体のバランスを保つことが最優先だと感じました。仕事が原因で健康を害するわけにはいきません。

自分の長所を生かせる現場へ

何から何まで覚えなくてはいけないというのは大変なことだと思います。

スキルという面ではあらゆることができる放射線技師のキャリアは、それは魅力的です。

しかし合わないと感じてしまった以上は、自分の得意なモダリティーを生かせる現場に環境を変えるしかないと、強く思いました。

しかし転職を考える前にこんな懸念点も…

  • 大病院から小さい病院へと転職すると、今後のスキルアップする望みは薄い。
  • 小さい病院から大病院へは、「やっぱり戻りたい」となっても難しいのが現状。
  • 小規模だと福利厚生が弱い・経営によっては閉院するリスクもある。

4.結果としてどうしたか(転職したのかしなかったのか)

最終的に私は転職を決断しました。

レントゲンの経験を活かせる整形外科クリニックでの仕事を見つけ、自分の健康やライフスタイルに合った環境を求めました。

もちろん、大学病院時代の放射線技師としての仕事には多くの魅力がありましたが、自分の人生を豊かにするためには、もっと自分に合った選択肢を追い求めるべきだと感じたからです。

5.決断後の感想とアドバイス

結果として私の転職は正しかったかと思います。

なぜかというと、比較的安定して仕事を続けることができる職場と巡り合え、「ライフワークバランス」が整ったからです。あのまま大学病院に残っていれば潰れてしまっていたかもしれません。

しかし、私の職場は放射線技師1人のため、頼れる上司がいなくなってしまったことは少し寂しいです。

あなたが今転職に悩んでいるなら、転職を考える前にできること・転職を考えたあとに「なぜ、転職するのか?」というポイントを洗い出してみると考えがまとまるかもしれません。

悩んでいる時期はつらかったですが、自分を見つめなおしじっくり考えることで、後悔がない決断をすることができました。

Goemon
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悩んでいる方には、焦らずじっくり考えてほしいと思います。

まとめ

今の職場を放射線技師として続けるか転職するかを決断するのは、大きな選択ですが、最も大切なのは自分自身の気持ちを大切にすることです。無理に早く決断せず、時間をかけて考えることが大切だと思います。もし悩んでいる方がいれば、少しでも参考になれば嬉しいです。
ジョブメドレー

歯科衛生士のリンクとなっていますが、無料会員登録するとたくさんの放射線技師の求人を閲覧することができます。実際に私はこのサイトで東京のクリニックに転職しました。

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Goemon

はじめまして! 放射線技師として働きながら、日々の業務のこと、 転職や一人暮らし、療養生活で得た工夫を発信中。 時計や日用品レビューも好きで書いています。

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