
放射線技師として働いていて、人間関係に悩んだことはありませんか?
私は“コミュ障”と言っても過言でないくらい、人と関わるのが苦手です。
それでも辞めずにここまで来れたのは、いくつかの工夫をしたからでした。
1.放射線技師という仕事と人間関係のリアル

同業はもちろん、患者さん、医師、看護師など、多職種との関わりがある
私は放射線技師の学校に入学する前、この職業のイメージは「黙々とレントゲンを撮る仕事」だと勘違いしていました。しかし、実際に働いてみるとそんなわけにはいかず、様々な患者さんに検査の協力してもらうための説明、状態にあった接遇能力が必要です。
円滑に事故なく業務を行うためには、同僚や上司に助けを求めるコミュ力も必要です。なんといっても放射線技師1人では検査を全うできない困難な例がありますからね。
ほとんどの検査業務でも看護師や医師との連携は必須です。
例えばCTやMRI検査などでは造影剤を注入するための血管確保は看護師にお願いすることが必須となります。病棟にポータブル撮影に向かった時も、寝たきりの患者さんを持ち上げるときは看護師との協力は欠かせません。
また医師とのコミュニケーションを必要とする場面も少なくありません。具体的には、手術室でのポータブル撮影、術中イメージングの操作、血管造影(アンギオ)などでは医師が主体となっている治療の現場ですので、そこに携わる放射線技師はサポート能力が問われます。

放射線技師の業務は思ったより、多岐に渡ります。
特に大きな病院では他職種とうまくやらないと部長(技師長)にクレームが飛んでくるなんてことも・・・
チームワークが求められる場面も多い

チーム医療が当たり前となっている昨今の現場、放射線技師も当然そこに入っていきます。
具体的には、三次救急受け入れ体勢の大病院では、迅速な検査~治療へと向かいたいために、短時間で確実な検査を放射線技師は行う必要があります(高エネルギー外傷の初療時のCT検査など)。
短時間で確実な検査を行う知識や技術も必要ですが、そこには医師や看護師など他職種への協力が必要不可欠です。患者の移動一つとっても放射線技師のみではどうにもなりません。
円滑に進めるためには臨機応変に、協力してもらえるようなコミュ力が必要となってきます。
診断がしっかりできる検査ができなかったり(検査失敗)、手間取ったりすると実際の現場では医師や看護師から冷たい目で見られることがあります。時にははっきりと言われてしまうことも・・・

放射線技師の業務に理解が浅いスタッフは当たりが強い印象ですね。
そういう人たちともうまくやらないといけないのが辛いですよね。
一方で、比較的黙々とできる場面もある
業務の中では放射線技師と患者のみという空間もあります。
とくに一般撮影(レントゲン)や単純CT・MRI等は他職種の介入がほとんどないため、比較的黙々と業務ができる部類だと思います。
一般撮影なんかは私の経験上、大学病院時代には100件/1日も撮ったこともあり、本当に黙々と業務という印象が強かったです。特に胸部レントゲンは、技術が比較的必要なくたくさん来るので、それこそ黙々と単純作業をしているという感じでした。

放射線技師の業務で単独でできる業務はほとんどありません。
オーダーされたレントゲンと単純CT・MRI検査等と極めて限定的です。
2.コミュニケーションが苦手な私がやった4つの工夫

2-1.放射線技師
ノンテクニカル(技術と関係ない)スキルを意識する
業務時間内だけ頑張ろうという気持ちでいいと思います。
それ以外は、朝と帰りの挨拶、業務中周りに困っているスタッフがいないか少しだけ気を遣う。
挨拶と気配りだけはちゃんとする。
それだけでもかなり違ってくると思います。(見ている上司は見てくれています)
「ありがとう」や「ごめんね」も言えるように
「ただの仕事仲間」そのくらいの気持ちで割り切って距離感を保つことは大事です。
しかし、仕事中は支えあう必要もありますから、助けてもらったときは「ありがとう」、何か迷惑をかけてしまったときは「ごめんね」と素直に言えれば、人付き合いが苦手でも、それだけでコミュニケーションになるでしょう。お互い様ですからね。
礼儀礼節を意識していれば、いざとなったとき手助けがあるかもしれません。
必要な連絡はメモやチャットツールで補う
何か報告事項を口頭で伝えに行くのって億劫になるときがありますよね。
話したくないときは誰だってあると思います。
そんなと無理だと思ったらメール等でも大丈夫です。メモ書きを置いておいたっていいんです。
2-2.他職種(医師・看護師など)の場合
苦手じゃないスタッフを探す
何回か顔を合わせている医師や看護師の中にも、割とコミュニケーションが図りやすいという人は必ず何人か出てきます。そういう人たちになるべく話をかけて業務をするように私は工夫してきました。
苦手じゃない人を増やすことで、仕事に対する苦手意識も薄めていくといいと思います。
「この人ちょっと苦手だな。」というスタッフとは無理に接触する必要はありません(時にはやむを得ない場合もありますが・・・)
3.それでも無理なときはどうすればいい?【放射線技師を辞めたい・向いていないと思ったとき】
異動・配置転換の相談をしてみる
実際私も合わない部署ががあり、技師長に部署の転換をお願いしたことがあります。
放射線技師の部署は多岐に渡るので、高い確率で自分に合った部署があります。
私の場合一般撮影(レントゲン)や放射線治療が合っていたので、大変な大学病院でも自分の居場所を一時的に見つけることができました。
どうしても今の部署が辛い場合は所属長に異動・配置転換の相談をするといいでしょう。
一度休職するのも選択肢
私は休職を選ばず、転職をしてしまいましたが、休職も一つの選択肢だと思います。
なぜなら、合わない環境を無理に続けることによって心の状態が悪化するほうが取り返しがつかないと考えるからです。
休職中も、条件さえそろえれば給料の2/3は1年以上支給される制度(健康保険から)などもありますから、そういった国の制度を活用するのもありかもしれませんね。
転職・キャリアチェンジを考える
私の場合、大学病院の激務に限界を感じ10年以上の勤続から、小さな整形外科クリニックへ転職しました。
転職は正直、エネルギーや一歩踏み出す勇気がいります。
しかし、あのままでは心の状態が悪くなり休職していたかもしれないので、転職は結果的に良かったと考えています。
私は35歳で実際に「ジョブメドレー」という転職サイトを利用し、放射線技師の転職に成功しました。
ジョブメドレー
歯科衛生士だけでなく、放射線技師の求人を多数掲載しているサイトですので、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

まとめ:人付き合いが苦手でも、自分らしく働ける場所はある
- 放射線技師を続ける以上は「コミュニケーション・人付き合い」は避けては通れない。
- しかし、苦手な人でも私のように部署転換や転職、人付き合いの工夫(ノンテクニカルスキル)を行うことで、自分を生かせる場所は必ず見つかる。

同じ悩みを抱える人の参考になればうれしいです。
【こちらの記事も参考になれば幸いです。】



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